2023年5月14日(日)に日本で開催された世界最高峰のアクションスポーツの祭典
「X-Games Chiba 2023」で日本のスケートボード界の星、小野寺吟雲が優勝した!
この大会で彼が見せた滑りは、観客をノックアウトさせたほどの驚異的なものだった。
RUN1の時点で彼が優勝するのではないかと誰もが思ったのではないだろうか?
小野寺吟雲というスケーター
小野寺吟雲は、2010年2月15日に横浜市出身。小学生の頃にスケートボードを始める。
その後、2007年にプロスケーターとしてデビュー。国内外での大会で好成績をだしている。
小野寺吟雲のRUN1が完璧すぎた
小野寺吟雲のRUN1は、正に圧巻だった。
しょっぱな、レールでの「キックフリップB/sテールスライド」の安定感。
画像で見てもわかるように、この丸レールも結構な高さがある。
そして、吟雲のお箱トリック「キックフリップブランド フリップ180アウト?」。
正直、このトリックだけで他のスケーターが無難にこなすトリックより難易度が1ランク高い。
もちろん失敗する可能性もグッと上がる。
そしてスイッチスタンスで、「スイッチF/sヒールフリップボードスライド」メイク。
メイントリックだけだと、どうしてもジャッジへの印象は悪くなるが、
きちんとスイッチトリックを入れてきたのは構成が考えられていると感じる。
当たり前だが、メインのヒールボードスライドだけでも1発メイクできるかって言われたら、
そんなことができるスケーターはごく一部だろう。
そして、バンクtoバンクへアプローチ。
ここで「ダブルのバリアルキックフリップ」をメイク。
他の選手はトレをやりがちな流れだと思うが、まさかのダブルバリアルフリップでびっくり!
実況者は全然驚いてなかったからダブルとわかってなかったのかも。
そしてラストトリックへ・・・
このパークのメインセクションである「14段のステア(レール)」へ挑む。
一呼吸をつく吟雲。時間制限がある中で、自分のペースをしっかりと掴んで冷静になれている。
ここに凄みを感じる。
スキルどうこうではない、この冷静さと余裕感が凄いのかもしれない。
ノーミスでここまで来て、ラストトリックで失敗するかもしれないプレッシャーはハンパないはず。
そして、最後のトリックは吟雲のスーパートリック
「F/sキックフリップ テールブラント ショービットアウト」
たった約2秒の間で行われる無理難題トリックを完璧メイク!
メイクした瞬間びっくりしすぎたと同時に、「このRunを上回る滑りはもうでないだろ」こう思ってしまった。
最後のトリックを乗った瞬間に小野寺吟雲の優勝を私は確信してしまった。
この後、おまけのように「キックフリップ」「540」「B/sビックスピン」をこなしてRunを終える。
この時点では、ナイジャ・ヒューストンを含め数名のスケーターがまだ滑ってないのに優勝は吟雲だな。。。
そう思わせる滑りだった。
それぐらい、高難易度のトリックと完璧なスケーティングだった。
小野寺吟雲の別格な滑り
小野寺吟雲の滑りは本当に別格だった。
正確に言うと、滑りが別格というよりはトリックのチョイスが別格であり、
それをメイクできてしまうスキルもまた別格ということだ。
スケートボードにおいて、トリックのチョイスはとても重要だ。
難易度を上げればメイク率が下がる。
1度ミスしてしまえば、優勝が遠のいてしまうからこそメイクがある程度できるトリックを選択する。
例えば、フリップインは難易度を上げる為に構成に入れたとしても1回もしくは2回程度。
今回の吟雲は、ほぼ全てでフリップを入れたトリックで構成されている。
他の選手も、この構成でトライしようと思えばできるかもしれないがたった2回しかチャンスのない中で
失敗することを考えると、やはりメイクできるトリックを選ぶことになってくるのが自然なことではないだろうか。
その中で今回、この構成で完璧にメイクした吟雲。
一体どうなってるんだ?笑
小野寺吟雲の未来
小野寺吟雲は、まだ13歳だ。今後の活躍は紛れもない事実。
既に世界中から注目を集めている彼の滑りは、日本のスケートボード界にとっても大きな意味を持つだろう。
日本の若いスケートボーダーたちにとって、小野寺吟雲は憧れの存在になることも間違いない。
今後、あのスキルを見ていると「Ginwoo」と名前のついた自分のトリックを作りだしてしまうんじゃないかとまで思ってしまう。
まとめ
X Games Chiba 2023での小野寺吟雲の優勝は、日本のスケートボード界にとって大きな意味を持っている。
彼の滑りは、今後の競技の発展につながると共に、彼の才能と技術に感銘を受けたことは間違いない。
まだ若干13歳である吟雲。10年後もまだ23歳。一体どんなスケーターになっているのか今からさらに楽しみだ。
優勝おめでとう!小野寺吟雲。